ひみつのサンタクロース

国立大学法人　福岡教育大学附属福岡小学校1年みずま　あき

　このふゆも、わたしがほしかったおもちゃを、サンタクロースがプレゼントしてくれました。
　わたしがよろこんでいると、となりにいたおとうさんが、
「おとうさんもほしいなあ。」
と、いいました。
「どうしてもらえなかったの。」
と、きいてみると、
「おとうさんも子どものころはサンタさんがきてくれてたんだけど、大人になったらこなくなっちゃったんだよ。」
と、ざんねんそうにいいました。
　そんなおとうさんを見て、わたしがサンタクロースになってプレゼントをおきにいくことをおもいつきました。
　プレゼントするおかしや、おてがみのじゅんびをこっそりしました。おとうさんには、プレゼントを入れてもらう大きなくつ下をかしました。
　そして、おとうさんがねたあと、音を立てないように、そうっとプレゼントを入れにいきました。
　つぎの日のあさ、くつ下の中を見たおとうさんは、よろこんでいました。
　クリスマスはすぎてしまったけれど、プレゼントをあげることができてよかったな、とおもいました。
　いまでも、わたしがサンタクロースになったことは、ないしょにしています。